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音楽で泣く

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今日になってようやくスタッドレスタイヤを脱ぎました。
どこにも行楽にいけないし、山中温泉は漆器まつりも甘茶まつりも中止で静かなものですし、だからとって退屈かといえばそうでもない。
じっくり見たかったDVDを見れるのだから。
 チュリビダッケ指揮ミュンヘンフィルによるドヴォルザーク交響曲第9番新世界より
 1991年収録のライブ映像。
この超メジャーな曲を、この指揮者とオケはびっくりするような演奏に変えてくれました。
皆知ってる新世界。
有名なのは第4楽章と、下校の音楽でお馴染みの第2楽章でしょうか。
耳馴染みが良くて気分も高揚するので昔から色々な演奏のCDを買ったり借りたりして聞き比べて楽しんでましたが、今回、度肝を抜かれました。
自分の中ではセル指揮クリーブランド管弦楽団のものが一番だったのですが、それとも違いますし他のどれとも違うんです。
ネットで調べてみると晩年のチェリビダッケは極端に遅いテンポの演奏が多いとか、変な演奏とか、あまり良い評価を得ていない模様。
だけど、わたくし、この演奏で、それも第2楽章で、涙腺崩壊いたしました。
映画でもドラマでもアニメでもなく、オーケストラが演奏しているDVDでボロ泣きしてしまいました。
確かにテンポは遅い。
第一楽章の冒頭でびっくりしたのはその遅さだった。
ええっ!マジか!的な抵抗感はありましたが、その遅さゆえにこの曲が持っていた細かな音の粒があきらかにされていくのが分かってからは、驚くばかりでした。
「この曲って、こんなに綺麗だったんだ・・・」
早いテンポで、というか普通のテンポでは気が付かなかった音が、次々に現れてキラキラと輝いて耳に届く。
その遅さが極まったのが第2楽章でした。
一般的な演奏ではこの楽章は約12分なんですが、このDVDのものは16分強あります。
12分が16分になるということは4割近く伸びているんですよ。
なのに、これがちっとも苦痛じゃない。
これこそが本来の姿なんじゃないかと思うほど自信に満ちた演奏なんだ。
音符の一つ一つが大切に拾われて音にされて破綻しないよう組み合わされて知らなかった和音になって降り注いでくる。
「どうだ、綺麗だろ?」
とニヤリとほほ笑むチェリビダッケ。
「はい!」
と涙を流して直立するワシ。

いやー、音楽って、凄いですわ。


 



by matta_no_komeya | 2020-05-03 23:16 | 自分ごと | Trackback | Comments(0)

日々の出来事や思う事、感じた事を書き連ねてゆく自分史的徒然Weblogであります。


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